『飛ぶ教室』 エーリヒ・ケストナー

高橋健二の独特の訳に慣れ親しんで育つと、もうそれがケストナーの文体であるかのような気がしてしまい、他の訳では 「これはケストナーじゃない!(T□T)」 などと我侭を言ってしまいたくなりますが、最近新しい訳も出ていますね。
少年たちそれぞれの個性がしっかりと、魅力的に描きわけられています。彼らはそれぞれに悩みを抱え、己と戦いながら懸命に、しかし実に生き生きと生きています。子どもの気持ちをまじめに思いやり見守る、先生たちも素敵です。
名誉と友情を重んじ、まっすぐに生きていこうとするこの本のメッセージは、今の時代の中で、人によっては古臭く、あるいは眩しいものに見えるかもしれません。けれど不易と流行という言葉の指す不易、「いつまでも変わらないもの」 「真実」 がここにはあると思います。
読むたびに笑い、涙し、勇気づけられる、最高の一冊のひとつです。
参考リンク
こどもの本棚 - ケストナー作品の紹介
この記事へのコメント
高橋健二訳でないと・・・という所にハゲシク共感いたしました。よろしければ私のブログもごらんください。
http://blog.goo.ne.jp/rakkoan2005/